入学式 式辞
2024(令和6)年度 入学式式辞
2024(令和6)年4月3日(水)
学長 藁科 勝之
今年の雪は、昨年の大雪から一転して少雪になり、雪解けも早く、桜も開花が迫る季節、弘前学院大学に、新たに若い皆さんをお迎えできたことを、大変嬉しく思います。
皆さん、御入学、おめでとうございます。
本年度の入学手続者は、以下のとおりであります。
・文学部72名、うち、英語・英米文学科33名、日本語・日本文学科39名。
社会福祉学部・社会福祉学科44名。看護学部・看護学科30名。
・大学院―文学研究科1名
総計、147名の皆さんをお迎えすることができました。
新型コロナ禍は、もうこれで5年目になりますが、ようやく沈静化している気配が見えます。とはいうものの、未だ罹患者が出ている状況から、万が一の用心として、感染を極力排除するために、残念ながら来賓の方々のご参列を見送ることと致し、保護者・同伴者の皆様や入学の皆さんと教職員のみの入学式となりました。
さて皆さんは、この3年間の高校生活は、コロナ感染の中で、必ずしも自由とは言えない生活環境、勉学状況であり、なかなか思うに委せず、もどかしい状況だったと思います。しかし、それを乗り越えて今日のこの日を迎えました。
青森県には、短期大学を含めて15の大学があって、北東北三県の中でも一番多いのですが、その青森県の中で、最も古い歴史と伝統を誇るのがこの弘前学院です。
弘前学院は、本多庸一(津軽藩藩校の稽古館の取締役)によって明治19年に設立され、キリスト教の精神を基に「畏神愛人」を弘前学院の建学の精神としました。弘前学院は、その母体が創設されて、今年で138年になります。
弘前学院大学の教育理念と教育方針は、「キリスト教信仰にもとづく教育をめざし、神の前に真実に生き、真理を謙虚に追求し、つつしんで神の御言葉を聞き、すべての人を大切にする畏神愛人の精神をもって、すべての人と社会とに対する責任を、積極的に果たす人間の形成」ということを目的としています。これがスクール・モットーです。
そして、こうした認識に基づいて、「自ら問題を発見し解決する知恵と力をもつ人材を育成する」としています。
さて、これから大学生活が始まるわけですが、若い皆さんには、自分の置かれた環境を享受してみることを進めたいと思います。
理由の如何を問わず、自分が身を置くことになった環境は、それなりに自分の生き方が反映した結果として現れたものなのであります。
では大学での学びとは、どういうものなのか?
大学での4年間の学修―これを、学士課程と言います。ここで「学士」という言葉が使われます。学士とは、学位の1つで、その学位には、学士、修士、博士という3種類がありますが、その中の最初の大学4年間の学修で得るものが「学士」という学位です。そして、その勉学の中で養われる力を「学士力」と言います。
ではこの「学士力」とはどんな力か?おおむね4つ、挙げられております。
1つ目は「知識・理解」の力です。これはすぐ分かりますね。これは最も基本的なもので、知識・理解力がないと何もできません。これが基盤です。無から有は生じないのです。
2つ目は「汎用的技能」と言われる能力で、この「汎用的」とはどういうものかと言いますと、ある特定の範囲とか分野に使えるというものではなくて、種々、様々な分野や領域にも通じて使える技とか能力・スキルのことを言います。
具体的に、どういうものかと言いますと、コミュニケーションスキル、数量的スキル、情報リテラシー、論理的思考力、問題解決能力、などですが、これらは、職業生活や、社会生活でも必要とされる技能・スキルですね。
そして、3つ目は「態度・志向性」と言われますが、具体的には、自己管理、チームワーク、リーダーシップ、倫理観、社会的責任、生涯学習力、といった力を身に付けること。
そして、4つ目が、総合的な学習経験と創造的思考力と言われるもので、これらの3つを統合して、何物かを創り上げて行く力です。
ところで、今、取りあげた、コミュニケーションスキル、チームワーク、倫理観、社会的責任などについて、これらは大学の授業、大学内での諸々の活動で身に付けることはできますが、その一方で、ボランティアに参加した、地域のお祭りに参加したとか、部活をやった、そのマネジメントをやった、アルバイトをやった、など、大学の授業以外での活動でも、こうした力を培うにあたっては、かなり有効ですね。
また、この弘前は、学園都市すなわち「学都ひろさき」と呼ばれ、ここには、市内の5大学で結成された「大学コンソーシアム学都ひろさき」と言う組織があり、相互に連携していますが、その組織の活動へ参加してみるのも有益で、効果的です。
まず、皆さんにおすすめの言葉があります。それは「なじむ」です。
「なじむ」とは、平安時代からある古い言葉なのですが、この語源は、「馴れる」+「沁みる」で、馴れ・沁むで、ナジムとなりました。
漢字熟語で言えば「適応する」です。適応とは、随分固い印象を与える言葉ですが、「なじむ」の方は、適応よりも、柔軟で「しなやか」なニュアンスがありますね。そこで、ヒロガクのキャンパスライフになじみましょう。「なじむ」ことによって、自由さを感じられ、また自分の力がより発揮できるし、そこに自分を肯定できる価値が見いだされるでしょう。
皆さん、大学生活を始めるにあたって、4年後の自分の姿というものを、イメージしてください。4年後にどうなっていたいか?ということです。
漠然とでもかまいません。自分が何を目指したいのか、これを意識してみてください。
そのイメージした姿の実現を目指して、これからのキャンパスライフを始めましょう。
私たちは、皆さんの「学び」に期待しております。
これを、皆さんの歓迎とお祝いのことばといたします。
あらためて、御入学、おめでとうございます。
2023(令和5)年度 入学式式辞
2023(令和5)年4月5日(水)
学長 藁科 勝之
昨年にも増して例年にない大雪でしたが、雪解けも早く、桜も過去最速に開花が迫る中、弘前学院大学に、新たに若い皆さんをお迎えできたことを、大変嬉しく思います。
皆さん、御入学、おめでとうございます。
本年度の入学手続者は、以下のとおりであります。
・文学部80名、うち、英語・英米文学科30名、日本語・日本文学科50名。
社会福祉学部・社会福祉学科45名。看護学部・看護学科45名。
・大学院―社会福祉学研究科1名、文学研究科1名
総計、172名の皆さんをお迎えすることができました。
新型コロナの感染は、もうこれで4年目になりますが、この弘前において、完全に収束に向かっているとは言えない状況ですので、前年度・一昨年度と同様、保護者の皆様、来賓の方々には、リモートでご覧いただくこととし、このように、皆さんと教職員のみの入学式となりました。
さて、皆さんは、この3年間の高校生活は、コロナ感染の中で、必ずしも自由とは言えない生活環境、勉学状況であったと思いますが、我々大学も同様でした。
しかしその中にあっても、皆さんの先輩方は、このコロナ禍にもかかわらず、勉学等に着実な成果を挙げております。就職率も9割超であり、また、ある国家資格の受験結果で、近隣の東北の大学と合格率の上位を争っています。よく頑張ったと言えます。
コロナが沈静化しつつあるものの、皆さんも、保護者・関係者の方々も、まだご心配かと存じますが、本学の授業・教育態勢は、今後も変わらず慎重かつ着実に進めて参りますので、どうかご安心ください。
青森県には、短期大学を含めて15の大学があって、北東北三県の中でも一番多いのですが、その青森県の中で、最も古い歴史と伝統を誇るのがこの弘前学院です。
弘前学院は、本多庸一(津軽藩藩校の稽古館の取締役)によって明治19年に設立され、キリスト教の精神を基に「畏神愛人」を弘前学院の建学の精神としました。弘前学院は、その母体が創設されて、今年で137年になります。
弘前学院大学の教育理念と教育方針は、「キリスト教信仰にもとづく教育をめざし、神の前に真実に生き、真理を謙虚に追求し、つつしんで神の御言葉を聞き、すべての人を大切にする畏神愛人の精神をもって、すべての人と社会とに対する責任を、積極的に果たす人間の形成」ということを目的としています。これがスクール・モットーです。
そして、こうした認識に基づいて、「自ら問題を発見し解決する知恵と力をもつ人材を育成する」としています。
さて、これから大学生活が始まるわけですが、では大学での学びとは、どういうものなのか?
大学での4年間の学修―これを、学士課程と言います。ここで「学士」という言葉が使われます。学士とは、学位の1つで、その学位には、学士、修士、博士という3種類がありますが、その中の最初の大学4年間の学修で得るものが「学士」という学位です。そして、その勉学の中で養われる力を「学士力」と言います。
ではこの「学士力」とはどんな力か?おおむね4つ、挙げられております。
1つ目は「知識・理解」の力です。これはすぐ分かりますね。これは最も基本的なもので、知識・理解力がないと何もできません。これが基盤です。無から有は生じないのです。
2つ目は「汎用的技能」と言われる能力で、この「汎用的」とはどういうものかと言いますと、ある特定の範囲とか分野に使えるというものではなくて、種々、様々な分野や領域にも通じて使える技とか能力・スキルのことを言います。
具体的に、どういうものかと言いますと、コミュニケーションスキル、数量的スキル、情報リテラシー、論理的思考力、問題解決能力、などですが、これらは、職業生活や、社会生活でも必要とされる技能・スキルですね。
そして、3つ目は「態度・志向性」と言われますが、具体的には、自己管理、チームワーク、リーダーシップ、倫理観、社会的責任、生涯学習力、といった力を身に付けること。
そして、4つ目が、総合的な学習経験と創造的思考力と言われるもので、これらの3つを統合して、何物かを創り上げて行く力です。
ところで、今、取りあげた、コミュニケーションスキル、チームワーク、倫理観、社会的責任などについて、これらは大学の授業、大学内での諸々の活動で身に付けることはできますが、その一方で、ボランティアに参加した、地域のお祭りに参加したとか、部活をやった、そのマネジメントをやった、アルバイトをやった、など、大学の授業以外での活動でも、こうした力を培うにあたっては、かなり有効ですね。
また、この弘前は、学園都市すなわち「学都ひろさき」と呼ばれ、ここには、市内の5大学で結成された「大学コンソーシアム学都ひろさき」と言う連携組織があり、相互に連携していますが、その組織の活動への参加も有益であるし、効果的です。
皆さん、大学生活を始めるにあたって4年後の自分の姿というものを、イメージしてください。
4年後にどうなっていたいか?ということです。漠然とでもかまいません。自分が何を目指したいのか、これを意識してみてください。
そのイメージした姿の実現を目指して、これからの学園生活を始めましょう。
私たちは、皆さんの「学び」に期待しております。
これを、皆さんの歓迎とお祝いのことばといたします。
御入学、おめでとうございます。
2022(令和4)年度 入学式式辞
2022(令和4)年4月4日(月)
学長 藁科 勝之
例年にない大雪でしたが、山々の残雪も消えつつあるこの早春に、弘前学院大学に、新たに若い皆さんをお迎えできたことを、大変嬉しく思います。
皆さん、御入学、おめでとうございます。
本年度の入学生は、以下のとおりであります。
・文学部81名、うち、英語・英米文学科35名、日本語・日本文学科46名。
社会福祉学部・社会福祉学科56名。看護学部・看護学科70名。
・大学院―文学研究科2名
総計、209名の皆さんをお迎えすることができました。
新型コロナの感染は、もうこれで2年になりますが、この弘前においても、おとろえを見せてはいない状況ですので、前年度と同様、保護者の皆様には、リモートでご覧いただくこととし、このように、皆さんと教職員のみの入学式となりました。
しかし、このコロナ渦でも、この2年間、感染拡大を回避しながら、対面式形態とともに、オンライン、オンデマンドも併用しながら、着実に進めてまいりました。
現に、皆さんの先輩在学生は、このコロナ禍にもかかわらず、勉学に着実な成果を挙げております。例えば、資格の取得関係では、ある国家資格の受験結果で、全国平均を上回った合格率を出しています。コロナ禍でもよく頑張ったと言えます。
皆さんも、保護者・関係者の方々も、ご心配かと存じますが、本学の授業・教育態勢は、今後も変わらず慎重に、かつ着実に進めて参りますので、どうかご安心ください。
最初に、弘前学院大学のプロフィルを紹介したいと思います。
弘前学院は、本多庸一(津軽藩藩校の稽古館の取締役)によって明治19年に設立され、キリスト教の精神を基に「畏神愛人」を弘前学院の建学の精神としました。弘前学院は、その母体が創設されて、今年で136年になります。
弘前学院大学の教育理念と教育方針は、「キリスト教信仰にもとづく教育をめざし、神の前に真実に生き、真理を謙虚に追求し、つつしんで神の御言葉を聞き、すべての人を大切にする畏神愛人の精神をもって、すべての人と社会とに対する責任を、積極的に果たす人間の形成」を目的としています。
そして、こうした認識に基づいて、「自ら問題を発見し解決する知恵と力をもつ人材を育成する」としています。
さて、大学は、その大学一つだけで完結するものではなく、地域社会、他の大学や、組織・機関との連携協力による、より一層の充実を指向することが求められております。
国際化・グローバル化の面では、本学は、アメリカの4大学、韓国の3大学、中国の2施設との姉妹校提携が結ばれております。
また、地域との交流についてですが、この弘前は、学都すなわち学園都市と呼ばれ、ここには、市内の5大学で結成された「大学コンソーシアム学都ひろさき」と言う連携組織があり、相互に連携していますが、本学は弘前大学と単位互換の協定を結んでおります。
さらに、この弘前学院をつくった本田庸一が、東京にも作った大学があります。
それが青山学院大学なのですが、その青山学院大学と本学との連携協定を、3年前の2019(令和元)年に締結したので、今年は4年目になります。これから青山学院との連携事業を計画して参ります。
ところで、皆さんは今18歳、19歳の方々がほとんどである、と思います。
すなわち民法で言う「成年」に既になっている人と、「成年」になったばかりの人がいらっしゃいます。
もうご存知でしょうが、このたびの民法改正によって、「成年」というものが、この4月1日から、今迄の20歳以上から「18歳以上」となったのであります。
これもご存知でしょうが、18歳から選挙権を得ます。また、契約について、親の同意がなくても、本人の意思1つで契約などができるのです。
ただし、飲酒や喫煙などは従来どおりで、20歳以上から、となっています。
こうして、以前にも増して、皆さんには自立の意識が求められております。社会的自立、また経済的自立ということなのであります。
さて、この「ジリツ」には2つの意味・用法があります。似ていますが異なります。1つは「自ら立つ」の自立、もう1つは「自ら律する」の自律で、これは自己の精神的な内的作用をあらわす言葉です。自立のためには、もう1つの自ら律するの「自律」が必要となります。「自ら律する」自律を前提として、「自ら立つ」の自立をめざして下さい。
今後、皆さん自身が経験するいろいろな問題に対して、試行錯誤しながらも、いかに自らの頭で考えて解決策を模索できるかが重要なのです。これが大学での「学び」のあり方です。
私たちは、皆さんの「学び」に期待しております。
これを、皆さんの歓迎とお祝いのことばといたします。
御入学おめでとうございます。
2021(令和3)年度 入学式式辞
2021(令和3)年4月3日(土)
学長 藁科 勝之
雪解けが進み、待ち遠しかった桜の開花を目の前にして、弘前学院大学に、新たに若い皆さんをお迎えできたことを、大変嬉しく思います。
皆さん、御入学、おめでとうございます。
本年度の入学生は、以下のとおりであります。
・文学部82名、うち、英語英米文学科33名、日本語日本文学科49名。
社会福祉学部41名。看護学部53名。
・大学院文学研究科1名
総計、177名の皆さんをお迎えすることができました。
しかし、新型コロナの感染が、未だ沈静化しているとは言えない状況にあることを考慮し、1年前の入学式と同様、新型コロナの感染拡大を極力排除するために、3密を避け、保護者の皆様、来賓の方々のご参列を見送らざるを得ませんでした。 そこで、このように、皆さんと教職員のみの入学式となりました。
しかし、このコロナ渦でも、この1年間、学生教育、授業関係においては、感染拡大を回避するために、オンライン、オンデマンドも併用しながらも、対面式形態の授業を主体に進めて参りました。 皆さんも、また保護者・関係者の方々も、ご心配になっていらっしゃると思いますが、本学の授業・教育態勢は、今後も変わらず慎重に、かつ着実に進めて参りますので、どうかご安心ください。
最初に、弘前学院大学のプロフィルを紹介したいと思います。
日本の私立大学は、それぞれ建学の理念・建学の精神を持っております。
弘前学院は、本多庸一(津軽藩藩校の稽古館の司監―取締役)によって1886(明治19)年に設立され、キリスト教の精神を基に「畏神愛人」を信条とされました。この「畏神愛人」が弘前学院の建学の精神となっております。弘前学院は本多先生によって、その母体が創設されて、今年で135年になります。
その後、学校組織としての充実・発展を遂げて、大学を設置したのが、1950(昭和25)年で、その時は「弘前聖愛短期大学」という名称でした。本学は、当初短期大学として設置されましたが、それから数えて今年は71年になります。
では、弘前学院大学の教育とはどのような特色を持っているのでしょうか。
弘前学院大学の教育理念と教育方針について、弘前学院は、「キリスト教信仰にもとづく教育をめざし、神の前に真実に生き、真理を謙虚に追求し、つつしんで神の御言葉を聞き、すべての人を大切にする畏神愛人の精神をもって、すべての人と社会とに対する責任を、積極的に果たす人間の形成」を目的としています。
そして、こうした認識に基づいて、自ら問題を発見し解決する知恵と力をもつ人材を育成する、と定め、本学のすべての学生、教員、職員は、相互の人格を尊重し、建学以来の伝統を重んじつつ、おのおのの立場において時代の要請に応えうる大学の形成に努める、としています。
大学は、その大学1つだけで完結するものではなく、地域社会、他の大学や、組織・機関との連携協力による、より一層の充実を指向することを求められております。 国際化・グローバル化の面では、本学は、留学、海外研修にも力を入れております。アメリカの4大学、韓国の3大学、中国の2施設との姉妹校提携が結ばれており、国際的感覚を身に付けるための留学、語学研修等の機会を得ることができます。
また、地域の他大学および姉妹校大学との交流についてですが、 この弘前は、学都すなわち学園都市と呼ばれます。ここには、弘前市内の6大学で結成された連携組織があり、これをコンソーシアムと言います。現在、日本各都市にコンソーシアムが存在しておりますが、この学園都市弘前には、「大学コンソーシアム学都ひろさき」という大学間連携組織があります。
このコンソーシアムでは、市からの補助金も得て、学生による地域活動支援事業を実施しておりますので、皆さんも是非ご参加下さい。また、コンソーシアムの各大学間で講義の単位互換も行っております。
さらに、この弘前学院をつくった本多庸一が、東京にもつくった大学があります。 それが青山学院大学なのですが、その青山学院大学と本学との連携協定を、一昨年の2019(令和元)年に締結したので、今年は3年目になります。これから青山学院との連携事業を計画して参ります。
さて、大学の勉強、“学び”とは、どういうものなのでしょうか。 皆さんは、これまで小・中・高と勉強してきましたが、これまでの勉強は、私もそうでしたが、問題や課題が出された時、ほとんど必ず「正解」とされるものが予めあって、私たち生徒は、それを探し出す、見つけ出す、ということをやって来ました。
小学校・中学校・高校を通じて、課題、問題など、おおむね、どちらかと言えば、正解がある、正しい到達点というものが存在していて、しかしそれが隠されているから、それを探し当てる、というようなやり方がほとんどだったわけです。
しかし、現実の世界に生まれている問題には、予め解決への唯一の正解があるわけではありません。むしろ「無い」と言うべきなのです。ではどうするのか。その状況に対して最良の適切な解決策、つまり適解を作り出さなければならない。「現状では、これが一番良いやり方だ」というものを創り出す。適解の創出です。
そのために必要なのが、知識、技能ですが、加うるに「分析力」です。そして、適解を生み出す「企画力」。またそして、これを周りに説明し、納得してもらう、「説明力」。かつ、周りとともに考え、行動することを働きかける「コミュニケーション力」。
大学での学びとは、このように、未来を造っていく力を養うことにあります。こうしたことを通じて、大学での「学び」は自分の可能性を開いてくれます。
私たちは、皆さんの「学び」に期待しております。
これを、皆さんの歓迎とお祝いのことばといたします。
学位記授与式 式辞
2023(令和5)年度 学位記授与式式辞
2024(令和6)年3月16日(土)
学長 藁科 勝之
今年の雪は、昨年の大雪から一転して少雪になり、過ごしやすくなりました。次第に雪解けが進むこの季節、弘前学院大学から、新たに若い有為な人材をお送りできることを、嬉しく思います。
皆さん、ご卒業、おめでとうございます。
本年度の卒業生・修了生は、以下のとおりであります。
学部については、
文学部―86名。そのうち英語・英米文学科37名、日本語・日本文学科49名
社会福祉学部―社会福祉学科47名
看護学部―看護学科63名
以上、学部卒業生196名
大学院については、2名。
社会福祉学研究科0名
文学研究科2名
なお、外国人留学生は、2名
学部・大学院、総計、198名の皆さんをお送りすることができました。
しかし、新型コロナ禍は、これで丸4年が過ぎ、5年目に入ってしまっております。ただ、最近はようやく沈静化している気配が見えます。とはいうものの、未だ罹患者が出ている状況から、万が一の用心として、感染を極力排除するために、残念ながら来賓の方々のご参列を見送ることと致し、保護者・同伴者の皆様や卒業の皆さんと教職員のみの学位記授与式となりました。
さて、このコロナと戦いの中で、こうして、今日の学位記授与式を迎えたわけですが、この間の、皆さんの努力はこれまでとは違って、並大抵ではなかったと思われます。しかし、それにもかかわらず成果をあげており、その1つは、就職状況にも現われております。
本年度の就職率は、就職希望者に対する割合で見ると、学部学生の全体は94.5%に近く、昨年度が93%でしたので、極めて高い数字を維持しております。
とりわけ、このコロナ禍で、社会生活上の制限がかけられているという厳しい状況だったにもかかわらず、いろいろ苦労なされたと思いますが、皆さんは頑張りましたし、また活躍もされました。
例えば、ある学生サークルが、この稔町の町内の人たちと、大学祭の中で交流のイベントを催し、弘前の5大学で作る「大学コンソ―シアム学都ひろさき」において、優秀賞を頂いたという、快挙もあります。
皆さんは、これから新社会人として、いろいろな方面で活躍されることを期待される人材となる訳です。
さて、今、社会は猛烈な勢いで、変化しつつあります。人口構成、少子化・高齢化が激化して、青森県の減少率の高さは日本2番目だとされます。こうした中で、皆さんもご存じのように、SDGs(持続可能な開発目標)とか、DX(デジタル・トランスフォーメイション)という社会に向けて、新しい社会のあり方を創りあげて行かなければならないのです。
卒業後も、さらに新しい学びが待っております。大学で学んだ知識・技能を踏まえて、社会人となった後も、新たな知識、技能、を手に入れることが必要です。社会人の学び直しが必要な時代です。人生100年時代における、生涯学習の時代です。
その際、必要なのが、デジタルに関する知識と技能と言われます。DX(デジタル・トランスフォーメイション)という言葉がありますが、Dのデジタルは、その基礎は大学で学んだので、勉強すれば大丈夫ですが、実は日本に足りないのは、X(トランスフォーメイション)だと言われます。このXとはトランスで、「Trans」には「超える・横切る」という意味があって、これが英語の「Cross」と同じになりますが、この「Cross」には「交差する」という意味がある。クロスなのでXと書く、というわけです。
実はこのクロスがトランスにとって大事だとされます。つまり物事を追求していく場合に、いろんな分野・領域の知識、観点などとクロスさせながら、革新的に課題解決に向かうという進め方なのです。
さらに今では、DXだけでなく、GXという言葉もあります。GXとは「グリーン・トランスフォーメイション」と言い、カーボンニュートラル実現、いわゆる脱炭素社会のため、様々な多角的な領域と連携しながらの取組です。
社会に出ましたら、自分だけでなく、隣の人、向こう側の人などとともに意見を交わしながら、協働(協力して働く)そして共創(共に創る)することを心がけてください。積極的な連携です。人々が生活して、社会が発展して、より豊かな環境を作り上げてゆくには、資源が必要ですが、ところが、あいにく日本には、それを作る基となる資源がほとんどありません。あると言ったら、人、人間だけです。大切なのはその人達の知恵、知恵の出し合いなのです。
「人生100年時代」に向けて、大きな転換点を迎える中にあります。だから生涯学習の重要性はますます高まっているのだと言われるのです。
考えてもみてください。大学を出て、あと、60年、70年の人生が待っているのです。これからが大事なのです。しかしあまり固く考える必要はありません。ただ、じっくりと自分の将来を創って行きましょう。じっくりと、かつゆっくりとで良いのです。
終わりに、本学の建学の精神とそれに基づく教育方針を思い起こしていただきたいと思います。建学の精神では、「すべての人を大切にするの精神をもって、すべての人と社会に対する責任を、積極的に果たす」と謳っています。
今ほど、この言葉を切実に感じる時はありません。あのパレスチナ・イスラエル戦争と、今も続くウクライナ侵攻です。あのニュースを聞くと、他人事ではありません。
「畏神愛人」は単なる謳い文句ではありません。ニュースを耳にするたびに、これがいかに大切なものであるかが分かります。
どうか、これを胸に刻んで旅立ってくださるよう祈ります。
ともに頑張りましょう。
改めて、卒業おめでとうございます。
2022(令和4)年度 学位記授与式式辞
2023(令和5)年3月18日(土)
学長 藁科 勝之
今年の雪は、昨年の大雪をさらに上回る大雪でしたが、ようやく雪解けが進むこの季節、弘前学院大学から、新たに若い有為な人材をお送りできることを、嬉しく思います。
皆さん、ご卒業、おめでとうございます。
本年度の卒業生は、以下のとおりであります。
学部については、
文学部60名。英語・英米文学科22名、日本語・日本文学科38名
社会福祉学部―社会福祉学科37名
看護学部―看護学科53名
以上、学部卒業生150名
大学院については、今回はありません。
なお、外国人留学生は、2名でした。
総計、150名の皆さんをお送りすることができました。
しかし、新型コロナ禍は、これで丸3年が過ぎ、4年目に入ってしまっております。ただ、最近はようやく沈静化している気配が見えます。とはいうものの、万が一の用心のために、昨年の学位記授与式と同様、感染拡大を極力排除するために、保護者・同伴者の皆様や来賓の方々のご参列を見送ることと致し、皆さんと教職員のみの学位記授与式となりました。
さて、このコロナと戦いの中で、こうして、今日の学位記授与式を迎えたわけですが、この間の、皆さんの努力はこれまでとは違って、並大抵ではなかったと思われます。しかし、それにもかかわらず成果をあげており、その1つは、就職状況にも現われております。
本年度の就職率は、就職希望者に対する割合で見ると、途中の段階ですが、学部学生の全体は9割5分であり、昨年同様、極めて高い数字を維持しております。
とりわけ、このコロナ禍で、社会生活上の制限がかけられているという厳しい状況だったにもかかわらず、いろいろ苦労なされたと思いますが、皆さんは頑張りました。
さて皆さんは、これから新社会人として、いろいろな方面で活躍されることを期待される人材となる訳です。
ところで、昔、「日本には、人しか資源がない」と言われていたのをご存じでしょうか。日本には、これといった資源がなく、あるといったら「人」だけだ、というものです。
人々が生活して、社会が発展して、より豊かな環境を作り上げてゆくには、資源が必要ですが、ところが、あいにく日本には、それを作る基となる資源がほとんどありません。あると言ったら、人、人間だけなのでした。
今もそうです。
しかし、人こそ、もっとも貴重な資源なのです。ですから「人財」つまり「人」と、財産の「財」を結びつけた「人財」という新語ができているわけなのです。
現在、「生涯学習」とか「人生100年時代」とか、こんな言葉があることはご存じでしょう。
「人生100年時代」とか「超スマート社会(Society5.0)」という時代に向けて、大きな転換点を迎える中にあります。ここでは生涯学習の重要性はますます高まっているのだと言われるのです。
社会人となった後も、新たな知識、技能を手に入れることが必要です。
社会人の学び直しが必要な時代です。
こうした時代状況を反映して、いわゆる、リカレント教育が推進される社会全体となりつつあるわけです。考えてもみてください。大学を出て、しかし、あと、60年、70年の人生が待っているのです。これからが大事なのです。
「学び」の時代なのです。この学びが、自分を育てるわけで、今、こういう言葉が生まれております。それは、「自分育ての時代」という言葉です。
そしてさらに言うと、皆さんは、「育自」、という言葉をご存知でしょうか?
これは、近年生まれた言葉です。
このイクジは、子供を育てる「育児」ではなくて、「自分を育てる」の「育自」なのです。
しかしあまり固く考える必要はありません。ただ、じっくりと自分の将来を創って行きましょう。じっくりとかつゆっくりとで良いのです。
終わりにあたって、本学の建学の精神とそれに基づく教育方針を思い起こしていただきたいと思います。建学の精神では、「すべての人を大切にする精神をもって、すべての人と社会に対する責任を、積極的に果たす」と謳っています。
今ほど、この言葉を切実に感じる時はありません。
あのウクライナ侵攻です。あのニュースを聞くと、対岸の火事ではありません。
「畏神愛人」は単なる謳い文句ではありません。ニュースを耳にするたびに、これがいかに大切なものであるかが分かります。
どうか、これを胸に刻んで旅立ってくださるよう祈ります。
ともに頑張りましょう。
改めて、卒業おめでとうございます。
2021(令和3)年度 学位記授与式式辞
2022(令和4)年3月12日(土)
学長 藁科 勝之
例年にない大雪から、ようやく雪解けが進むこの季節、弘前学院大学から、新たに若い有為な人材をお送りできることを、嬉しく思います。
皆さん、ご卒業、おめでとうございます。
本年度の卒業生・修了生は、以下のとおりであります。
学部については、
・文学部―57名。うち英語・英米文学科26名、日本語・日本文学科31名
・社会福祉学部―社会福祉学科41名
・看護学部―看護学科65名
以上、学部卒業生163名
大学院については、
・社会福祉学研究科1名
・文学研究科1名
以上、大学院修了生2名
学部・大学院、総計、165名の皆さんをお送りすることができました。
しかし、新型コロナの感染が、未だ沈静化しているとは言えない状況にあることを考慮し、1年前の学位記授与式と同様、感染拡大を極力排除するために、3つの密を避け、保護者・同伴者の皆様や来賓の方々のご参列を見送らざるを得ませんでした。
そこで、このように、皆さんと教職員のみの入学式となりました。
このコロナ渦は、とうとうこれで2年が過ぎ、3年目に入ってしまっております。しかも、未だ衰えを見せておらず、本学においても、感染者が出ました。
しかし、こうした状況でも、この2年間、学生教育、授業関係においては、感染拡大を回避するために、対面式形態とともに、オンライン、オンデマンドも併用しつつ、講義・演習等の授業を進めて参りました。
さて、このコロナと戦い、こうして、今日の卒業式を迎えたわけですが、この間の、皆さんの努力はこれまでとは違って、並大抵ではなかったと思われます。しかし、それにもかかわらず成果をあげており、その1つは、就職状況にも現われております。
本年度の就職率は、就職希望者に対する割合で見ると、途中の段階ですが、学部学生の全体は100%に近く、昨年度が100%でしたので、極めて高い数字を維持しております。
とりわけ、このコロナ禍で、社会生活上の制限がかけられているという厳しい状況だったにもかかわらず、いろいろ苦労なされたと思いますが、皆さんは頑張りました。
この他には、資格試験・国家資格試験の合格率が、東北で1位となったという、誇るべき実績もありました。
こうして、きょうの卒業を迎えたわけですが、この「卒」とは何かと言えば、「終える・終わる」ことです。学業を「卒す」、終える、となりますが、実は、これは終わった、ということと同時に、始まりをも意味します。卒業式という儀式が始まったのは、今から150年前の明治初期ですが、当時は、次の段階に進む際の儀式だったようです。ですから次の舞台への始まりです。外国語でも卒業式を「始まりのセレモニー」と表現することがあります。
皆さんは、明日から、新しい生活の場に身を置くわけですが、そこでは、いろいろな課題が待っています。なかなか難しい問題も、当然やってきます。それらには、予め正解があるわけではありません。その都度、その都度、問題の大小を問わず、とにかくなんとかしなければ、、、、という解決力が問われるわけです。
その解決のためには、協調性―すなわち、他の人と物事を上手くやっていくこと―とともに、協働性―つまり、組織的な協調態勢の中で主体的に動き、協力すること―ということが必要になるでしょう。そういう局面で、大学時代に培ったプレゼン力やコミュニケーション力が活きて来るはずですし、是非、活かして欲しいと思います。そして卒業後も努力して欲しいと思います。
本学の卒業生の活躍が、テレビ、新聞等マスメディアに取り上げられることも増えてきました。例えば、パラリンピック出場者、作家・小説家、国際交流による友好・親善に関わるコンクール入賞などがありました。
最後に、本学の建学の精神とそれに基づく教育方針を思い起こしていただきたいと思います。
弘前学院の教育目的は、「すべての人を大切にする畏神愛人の精神をもって、すべての人と社会に対する責任を、積極的に果たす」としています。これは単なる謳い文句ではありません。私達が耳にし目にする今の日本及び国際社会をみると、これがいかに大切なものであるかが分かります。
これを皆さんの門出にお贈りしたいと思います。
改めて、卒業おめでとうございます。
2021(令和3)年度 9月期学位記授与式
2021(令和3)年9月30日(木)
学長 藁科 勝之
この夏の酷暑も過ぎ去り、朝夕の秋の涼しさが心地よい気候となりました。
しかし、二年前に起こったコロナ感染は、いっこうに衰えを見せず、むしろ、形を変えながら、私たちの生活を脅かし続けております。
こうした中で、9月期の卒業式、学位記授与式を迎えることとなりました。
今期の卒業生は、文学部・日本語日本文学科、及び、看護学部・看護学科のお二人となりました。お一人の方は、ご都合によって出席が叶いませんでしたが、今、お二人は、こうして、弘前学院大学の学位記授与式・卒業式の場にあります。
この「卒業」という言葉は、「業」を「卒す」、つまり「学業」を「終える」ということですが、しかし、大学を卒業しても、「学び」「学ぶ」ということは、むしろこれから、かえってますます必要になると思うのです。これから社会に出て、いわゆる社会人になるわけですが、今後は、これまでの、大学で学んだ知識や経験等を糧として、社会での「学び」に立ち向かって行くことになります。
現代は、人生百年時代を迎えており、お二人はまだその5分の1しか経っていないのです。先は長いけれども、前途は洋々としているのです。自分の人生を切り開いてゆくための新しい道のり・道程であります。
自分自身のために、と同時に、隣人たちにとって、そして社会のために、有為な人材となるように努力してください。
お二人は、縁あって、このヒロガクに学んで、今日の日を迎えました。
これまで、よく頑張りました。学長として賛辞を送ります。
これからも、この大学で学んだことを活かして、励んでくださるよう、心から祈念申しあげます。
ご卒業、誠におめでとうございます。