大学院 文学研究科

 ディプロマ・ポリシー(Diploma policy:学位授与の方針)
  1. 日本語・日本文学・日本文化の各分野を研究対象として、各領域の地域性の解明、および内在する普遍性を追究できる能力を身につける。
  2. 深い専門的知識と広い視野をもって、自ら課題を発見し、調査・研究し、課題解決できる研究遂行能力を身につける。
  3. 研究によって得た知見を社会に発信する一方で、積極的なコミュニケーションを通して他者との協働のもとに、地域社会の発展に寄与する能力を身につける。

以上の能力を身につけ、研究科に2年以上在学し、所定の授業科目について30単位以上を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、修士論文を提出し、その審査および最終試験に合格した者に、修士(文学)の学位を授与する。

 カリキュラム・ポリシー(Curriculum policy:教育課程編成・実施の方針)
  1. 日本語・日本文学・日本文化の各分野に関する高度な専門的知識を体系的に修得し、とくに北東北をはじめとするそれぞれの地域性の解明、および内在する普遍性を追究できる能力を獲得できるように授業科目を設置する。
  2. 広い視野に立って専攻分野における研究能力や高度の専門性を身につけるため、各分野における「特論」や「演習」の授業科目が計22単位、「課題研究Ⅰ・Ⅱ」が計8単位で、深く・広い専門的知識の修得と、主体的研究能力育成のためのバランスが適切になるように設置している。各分野に関する講義科目の「特論」を中心としたコースワークと、主体的に研究を進め、論文執筆に取り組めるように演習科目の「演習」を主体とするリサーチワークを取り入れ、広い分野の体系的知識の修得と専門的研究能力の育成をはかるための教育課程を編成する。
  3. 修士論文作成に向けて、コースワークを基礎にして、「演習」以外のリサーチワークとして、自らがオリジナルな研究を行うことを目的にした「課題研究」を1年次より設ける。通年の必修科目「課題研究Ⅰ」(1年次)の上に、「課題研究Ⅱ」(2年次)に設け、「課題研究」を段階的に履修することで研究が計画的に進展するようにする。
 アドミッション・ポリシー(Admission policy:入学者受け入れの方針)

文学研究科は、日本語・日本文学・日本文化に関して、基礎的な理解・知識と課題分析能力(学部卒業程度)を有し、深く探究しようとする人、また、各分野における地域の特質の解明とともに、それを総合的に把握しようと努め、さらに、その研究を通して地域社会の発展に寄与しようとする人を受け入れる。
評価の方法については、論文記述(専門科目)試験、面接試験審査、出願書類審査により総合的に評価する。

修士論文および学位

  • 修士論文は、各専門に関する主題で、(A)地域の文学・文化、(B)日本文学・日本語学の発展に関わる学術論文とする。
  • 研究科に2年以上在学し、所定の授業科目について30単位以上を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、修士論文を提出し、その審査および最終試験に合格した者には、「修士(文学)」の学位を授与する。

履修基準および授業科目

(1)履修基準

  • 課題研究Ⅰ、課題研究Ⅱ―――8単位必修
  • 自己の所属する指導教員の「特論」、「演習」は、計4単位必修
  • 指導教員の「特論」、「演習」必修の他に、「特論」を2科目(4単位)、「演習」を2科目(4単位)必修
  • 修了必要単位数は30単位

(2)履修モデル

[日本語学の場合](修了必要単位数 30単位)

前期後期
1年次日本語学特論(日本語学)日本文法特論(日本語学)
日本文学特論C(近世文学)日本語学演習(日本語学)
日本文学特論D(近現代文学)日本文学演習D(近現代文学)
漢文学特論(漢文学)民俗芸能演習
地域史特論課題研究Ⅰ
地域メディア特論
課題研究Ⅰ
2年次地域文学特論課題研究Ⅱ
課題研究Ⅱ

[日本文学の場合](修了必要単位数 30単位)

前期後期
1年次日本文学特論A(古代文学)伝承文学特論
日本文学特論C(近世文学)日本文学演習A(古代文学)
日本文学特論D(近現代文学)日本文学演習D(近現代文学)
漢文学特論(漢文学)日本語学演習(日本語学)
地域史特論課題研究Ⅰ
地域メディア特論
課題研究Ⅰ
2年次地域文学特論課題研究Ⅱ
課題研究Ⅱ

[日本文化の場合](修了必要単位数 30単位)

前期後期
1年次民俗学特論伝承文学特論
民俗芸能特論民俗芸能演習
日本文学特論A(古代文学)日本文学演習A(古代文学)
日本文学特論D(近現代文学)日本語学演習D(近現代文学
地域史特論
地域メディア特論
課題研究Ⅰ
2年次地域文学特論課題研究Ⅱ
課題研究Ⅱ

授業科目の概要

授業科目名単位数授業科目等の概要
日本文学特論A
(古代文学)
2景行記のヤマトタケル伝承関係の諸論文を読み、問題点を見付けながらその本義と生成を追求する。
日本文学特論B
(中世文学)
2※2024年度開講せず
日本文学特論C
(近世文学)
2[キーワード:江戸時代の言語文化、江戸語、上方語、地域語]
テーマ:歴史言語における規範・標準と、変異 ―近世の江戸と、北奥・津軽のことば―
中央は、地方をどのようにみていたか、地方は、中央を、また地方をどのようにみていたか。具体的な資料を探索し、言語・表現の位相から双方の見方を明らかにしていく。
日本文学特論D
(近現代文学)
2大江健三郎の初期小説を中心に、大江健三郎の評論、初期小説とフランスの作家ピーエル・ガスカールとの影響関係について考え、講読する。
日本語学特論
(日本語学)
2現代日本語を例として、ことば・方言と社会の関係について考える。具体的な問題を主題として、ことばの運用面のテーマを考える。
日本文法特論
(日本語学)
2待遇表現研究 待遇表現としての敬語について、現代敬語の特徴と分類について知り、運用上の問題点とその対策について考える。
民俗学特論2日本の年中行事や民俗芸能(盆踊りや神楽など)を信仰や習俗の側面からとらえ、庶民の生活文化を明らかにする。
民俗芸能特論2民俗芸能に関する先行研究を取り上げ、民俗芸能研究の問題点を探る。調査・研究方法を学んだ上で受講者自らが口頭発表形式で発表を行い、レポートにまとめる。発表・レポートでは当該芸能の概要に加えて、類例との比較によるその芸能の位置づけや、授業で学んだ点を盛り込んだ各自の考察を行う。
漢文学特論
(漢文学)
2漢語の基礎知識と語法を広く学んだ後、日本で愛読された、訓点付きの注釈書を読んで、漢詩・漢文に対する理解を深める。
伝承文学特論2記紀の枯野伝承と国栖伝承の条を各レベルに合わせて精読し、この二つの条の散文と韻文の構造を解明する。
地域文学特論2[キーワード:地域文学・表象]
青森県や弘前市にゆかりのある日本近現代文学作品の読解を行う。
日本近現代文学の中で青森や弘前がどのように表象されてきたのか見識を深める。
地域史特論2テーマ;「地域」の視点に立って日本およびアジアの歴史の学習を行う。
「地域」の視点から日本とアジアの歴史を学ぶのに適したテーマを選択し、講義を主体に、教師側からの一方通行の授業でなく演習の要素も加えた「参加型」の授業を行います。重要な問題については、次回までの課題とすることもあります。なお、昨年は、「大化の改新から壬申の乱へ」をテーマとし、大化の改新前夜から、白村江の戦い、近江朝廷を経て、壬申の乱勃発に至る歴史の学習を行いました。
地域メディア特論2情報が氾濫するネット社会において、情報の精査、整理、企画、編集する力と、地域の特色を理解し、完成度が高く、グローバルな視野をもった魅力ある情報を発信する力を養う。また、多様化するメディアを理解し、出版、編集の基本を学び、幅広くメディアを担う人材の育成を図る。
日本文学演習A
(古代文学)
2景行記・紀のヤマトタケル伝承の注釈書を比較して、解釈の相異や深まりを確認し、ヤマトタケル関係の生成を追求する。
日本文学演習B
(中世文学)
2※2024年度開講せず
日本文学演習C
(近世文学)
2テーマ:江戸文化と文学と言語表現
江戸文化爛熟の化政期に生まれた作品を読解・鑑賞しつつ、作品とそれを産み出す社会的背景を考察する。その具体的作品として、化政期の口語を反映する歌舞伎脚本『東海道四谷怪談』をとりあげ、その受容と影響の大きさを考える。
日本文学演習D
(近現代文学)
2《昭和期の文学》小説の方法という点で昭和期を代表する小説作品(「濹東綺談」1937、「人間失格」1948、「豊饒の海」1965-1971)とそれに対する分厚い研究論文群を精読する。
日本語学演習
(日本語学)
2[キーワード:ヴァーチャル方言 キャラ語、ドラマ方言]
テーマ:現代社会における方言の役割 従来の地域方言と地域を越えたヴァーチャル方言など、新種の方言の果たす役割について考える。
民俗芸能演習2[キーワード: 民俗芸能・日本文化]
演習形式により、民俗芸能に関する先行研究を取り上げ、民俗芸能研究の問題点を探る。調査・研究方法を学んだ上で受講者自らが口頭発表形式で発表を行い、レポートにまとめる。発表・レポートでは当該芸能の概要に加えて、類例との比較によるその芸能の位置づけや、授業で学んだ点を盛り込んだ各自の考察を行う。演習では文献カード・リサーチカードを使用し研究発表や論文作成の基礎を学ぶ。
課題研究Ⅰ4大学院学生各自が、自らの問題意識に基づいた研究課題を自主的に設定し、創造的な研究ができ、高度に能力が発揮できるように、個別指導を行う。
課題研究Ⅱ4課題研究Ⅰの指導の上に立って、研究テーマを更に深め、広い人文的教養と高度の専門的知識を備えるように、個別指導を行う。また、学会などで口頭発表ができ、それに基づいて学会誌などに投稿できるような、独創的な修士学位論文の完成を目指した個別指導を行う。

奨学金

● 弘前学院大学学内奨学金(免除)
学業成績、人物、家庭状況などを考慮して選考します。
(定 数)1 名 ※年度により定数を変更することがあります。
(免 除 額)当該年度授業料の 2 分の 1 相当額
(応募資格)本学大学院在学 2 年目以上の者

● 弘前学院学内奨学金(貸与)
学業成績、人物、家庭状況などを考慮して貸与されます。
(月額) 50,000円

● その他の奨学金

奨学金名貸与額(月額)
日本学生支援機構第一種奨学金50,000 円
88,000 円
第二種奨学金
※希望により右の貸与月額を選択できます。
50,000 円
80,000 円
100,000 円
130,000 円
150,000 円