文学部 英語・英米文学科

英語・英米文学科の概要

世界で活躍できる人材の育成

 弘前学院大学の英語・英米文学科は、世界で活躍できる人材の育成を目指します。
 21世紀は地域から世界へ、世界から地域へと人的交流が活発になります。
 私たちは海外へ出かけると同時に、海外から人を迎える時代に突入しています。
 今後はますます、このような傾向が強まることが予想されます。
 英語・英米文学科ではこの状況に対応できる人材の育成を目指し、豊富なカリキュラムのもと、少人数クラスで、きめ細やかな教育を徹底しております。
 英語・英米文学科では以下のような科目構成を設けています。

英語コミュニケーション能力の向上、海外研修の奨励

 このような人材を育成するために、専門科目のなかでも特に重視しているのが英語コミュニケーションです。聴く・話す・読む・書く能力を向上させるために、「Oral Communication」や「Composition」などのEnglish Communication科目は1年生から4年生まで必修になっています。さらに在学中の海外研修をすすめ、社会人になる以前から異国の文化に接触し、これを吸収し、相互理解することを目指しています。

英語ということばへのさまざまなアプローチ

 科目群中の「言語習得」では人は言語をどのようにして習得するのかを学びます。また「意味論」では言語の意味とは何かを学びます。

欧米文化圏の習慣や文化的事象、文学作品へのさまざまなアプローチ

 「欧米文学・文化概論」や「Cultural Studies A-E」などの科目を通じて、欧米文化における伝統や習慣などを広く学び、その国の文化を深く理解します。また、「Shakespeare in Performance」や「Comparative Literature」などの科目を通して、シェイクスピアからアメリカの色々な新しい小説まで幅広く読み、その背景にある人間性を探究します。

専門基礎・卒業研究・共通科目

 専門基礎として「Basic English Reading」という科目を通して、英文法の基礎や英語のリズム、イントネーションに注意しながら読解力を身につけます。

 卒業研究として、卒業論文があります。4年間で学んだことの集大成として、自分で選んだトピックに関して論文を完成させていきます。

 また、英語・英米文学科と日本語・日本文学科とに共通する関連科目を通して、専門領域を補い広い視野を培うことを目指します。 「海外研修」、「表現の技術」、「データベースと解析の技術」、「日本語教育法」などの科目があります。

 このように、英語・英米文学科の専門教育科目は豊富な科目から成り立っており、学生はどの科目も自由に学べるようになっています。

英語・英米文学科 専門教育科目

(1)専門基礎Basic English Reading Ⅰ,Ⅱ
(2)英語学関係科目英語学概論AB、英語学原文講読、英語音声学、音韻論、形態論
統語論AB、意味論AB、言語習得AB、英語学演習ⅠAB・ⅡAB
(3)欧米文学・文化関係科目欧米文学・文化概論AB、イギリス原文講読、アメリカ原文講読
イギリス文学史AB、アメリカ文学史AB、Shakespeare in Perfomance
Comparative Literature、Interpretation / Translation、Cultural Studies A~E
欧米文学・文化演習ⅠA~F・ⅡA~F
(4)卒業研究卒業論文
(5)English CommunicationOral Communication ⅠAB・ⅡAB・ⅢAB、Advanced Discourse AB、
Composition ⅠAB・ⅡAB、Academic Writing AB、Presentation Skills、Business English
(6)共通科目言語・文学・文化の基礎、応用言語学、民俗学、考古学、古文書学、書道AB
海外研修ⅠAB・ⅡABC、表現の技術AB、データベースと解析の技術、
データ解析演習ⅠⅡ、日本語教育法ⅠAB・ⅡAB・ⅡC(演習)・ⅡD(演習・実習)

基礎演習

新入生がこれから大学で学び、研究するために必要になる基礎的な能力を養うための科目です。

基礎演習基礎演習ⅠⅡ

一般教育科目

広く教養を身につけ、視野を広げ、知的好奇心を活性化するための科目です。

キリスト教についての科目キリスト教学Ⅰ、キリスト教学Ⅱ、キリスト教音楽
人間・社会についての科目哲学と倫理AB、法と社会AB、政治学AB、経済学AB、心と身体AB、
教育と人間AB、歴史と社会AB、現代の社会と文化AB
自然についての科目情報の科学AB、環境の科学、生命の科学AB、科学と現代A~D
地域についての科目地域研究AB
教養演習教養演習A~Q
外国語科目英語ⅠA~D、英語ⅡAB、ドイツ語A~D、フランス語A~D、中国語A~D、
韓国語A~D
保健体育科目スポーツ科学講義、スポーツ科学実技A~F

自由選択科目

より広い教養を身に付けるために設定されている科目です。

社会人基礎力支援科目教職教養A~F、常識日本語AB、小論文演習、実践英語A~D、基礎数学A~C、
企業等実習
単位互換(弘前大学)※選択教養A~G
特殊講義日本語学特講、日本文法特講、古代文学特講、中世文学特講、近世文学特講、
近・現代文学特講、民俗学特講、民俗芸能学特講

※文学部は,現在弘前大学と単位互換に関する協定を締結しています。学生は「特別聴講学生」として弘前大学の科目を履修し,その修得単位は自由選択科目の「選択教養」として認められます。

専門教育科目紹介

英米文学

英米文学に触れることの意義とは?

 英語・英米文学科では、イギリスやアメリカの文学を読んだり味わったりする授業が一つの柱となっています。
 文学作品を読む意味はどんなところにあるのでしょうか?
 イギリス文学の一番古い時代から近現代に至るまでの歴史を、最初に通時的に書いたフランス人のヒポリト・テーヌは次のように述べました。

“A literary work is not a mere play of the imagination, an isolated caprice of an excited brain, but a transcript of contemporary manners and customs and the sign of a particular state of intellect.”

「文学作品は単なる想像の遊びや興奮した脳から生まれ出た突発的な気まぐれなのではなく、その作品が書かれた時代の振舞い方や習慣を映し出すものであり、知性のある特別な状態を指し示すものである。」

 テーヌの説明にもあるように、文学作品を読むことを通して、私たちはその時代時代の人々の習慣、暮らし、嗜好、物の考え方など様々なことを知ることが出来ます。同時に、文学作品を読むことを通して知らされるのは、日本人としてのあるいは人間としての自分の姿です。私たち日本人の習慣、暮らし、嗜好、物の考え方は、文学作品に描かれている世界とはどのように異なっているのか、同じなのかを考えさせられるでしょう。

英米文学の科目内容

 英米文学に関する科目は、まず英米文学作品についての知識を大まかに学ぶ「英米文学概論」、「イギリス文学史」、「アメリカ文学史」があります。
 また、個々の作品を詳しく味わうことを目的とした「イギリス近現代文学」、「アメリカ近現代文学」、「Shakespeare in Performance」があります。
 さらに、学生それぞれが選んだ作品を興味のある切り口(例えば、繰り返し現れるイメージやジェンダー・階級・イデオロギーなど)から分析して発表し、フィードバックをもらいながらエッセイにしていく演習形式の授業の「英米文学演習」が設けられています。

 少し詳しく見ていきましょう。

 「英米文学概論」では、チョーサー、シェイクスピア、ベーコンやディケンズ等の作品を英語で読んでいきます。作品を通して、イギリス人とはどのような人たちであるのかを知ることになるでしょう。それはまた、人間とは何か、という問いかけに対して考える良いチャンスです。

 「アメリカ近現代文学」では、アメリカ文学の原典(小説)を使用し、年間にいくつかの原典作品を丁寧に精読し、その内容の問題点、謎めいた所を深く探求していきます。「文学」の謎解きの面白さ、楽しさ、さらには「文学」の寛容さ、曖昧さを味わってもらいたいと考えています。

 「イギリス文学史」では、ハリーポッターやピーターラビット等の子供の頃に接する児童文学から始めて、それらに現れるテーマがイギリス文学史の作品に登場する小説・詩・演劇にどのように変奏されているかを見ていきます。それと並行して、イギリスのケルト文化から始まって、アングロサクソン人の文化、中世時代の文化、ルネサンスの文化、モダニズムの文化を各時代の作品を通して見ていきます。この授業では、英語で書かれた文学史の本を読んでいくので、英文の読解と必要事項の調査が必要となります。通常の作品・作家の羅列による受動型の文学史ではなく、自分で調べることで時代背景や作家間の影響が見えてくる仕掛けとなっています。

 「Shakespeare in Performance」では、シェイクスピアの一作品を選び、その映画化または舞台化されたものを鑑賞します。その後、興味深いシーンを選び、原典と日本語の対訳を照らし合わせながら、意味の解釈・言葉の使い方・英語のリズムについて見ていきます。必要に応じて、歴史的背景や文化的背景の解説もします。ある程度の理解が出来た後に、何度も英語の読みを重ね、実際に演じてみることを目指します。シェイクスピアの作品の文化的背景を理解し、シェイクスピアの言葉の美しさを体感出来ます。また、パフォーマンスを通して、英語のスピーキングの練習、コミュニケーション力のアップ、創作意欲のアップを目的としています。

英米文学の魅力とは?

 英米文学の過去の作品に触れ味わうことは、その時代時代のイギリス人やアメリカ人の物の考え方や価値観に触れることです。そして、そこから見えてくる価値観と私たち人間の価値観とを比較してみましょう。
 その試みはすでにイギリス人、アメリカ人、日本人といった国の国境線を越えて、「人間とはなにか?」という普遍的問題と向き合うことなのです。「人間とはなにか?」を解明するために自分自身の姿を映す「鏡」として文学作品を考えてみましょう。

英語学

 英語学は英語という言語の仕組みを分析する分野です。
 英語の音・語・文等、英語の様々な側面に焦点を当てます。

 例えば、「音韻論」では音の規則に関して、「形態論」では語(単語)の成り立ちについて、「統語論」では語と語がどのように組み合わされて句や文が成り立っているのか、それらに関わる規則や制約について、そして、「意味論」では語や文の意味に関わる現象を詳しく見ていきます。また、「言語習得」においては、母語や外国語の習得の仕組みについて考えます。

 では、もう少し具体的に何を学ぶのか、「言語習得」を例に紹介します。
 私たちは母語をどのように理解して、話すことが出来るようになったのでしょうか。また、外国語を学習することは子どもが母語を習得することとどのように異なるのでしょうか。そこに共通する特徴はあるのでしょうか。
 「言語習得」では、このように母語の習得と外国語(第二言語)習得に関する問題を対象として、その仕組みを明らかにしようとする研究について学びます。
 例えば、l と r の音の区別、動詞の規則過去形と不規則過去形の発達過程、疑問文に関わる規則について等、様々な側面に焦点を当てます。それぞれどのようなことが明らかになっているのか、また、その研究方法や分析方法についても理解することを目指します。

 英語の仕組みについて系統立てて学ぶことで、英語の様々な現象について深く考えてみましょう。また、その基本的分析方法は英語に限らないため、言語を体系的に捉え、言語間の相違や共通点についても考えながら、英語に対する理解を深めていきましょう。

欧米文化

英語から欧米文化へ

 英語・英米文学科には「欧米文化関係科目」が配置されています。
 この科目群は、欧米の歴史を学びたい人、世界で起きている現代の様々な出来事に関心を持つ人、あるいは世界の多様な文化、価値観について理解を深めたい人にとっては知的な刺激を与えるものです。
 日本人にとって日本文化は身近で馴染み深いものですが、欧米文化となるとそうではありません。なにしろ、日本から遠い外国の文化、しかも古典古代から現代まで連綿と続く歴史の厚みがあるからです。しかし、そうした欧米文化の世界に踏み込んでいくことを怖れる必要はありません。
 なぜなら、その世界へ突進していく武器として、私たちは英語という言語をすでに身につけているのですから。

欧米文化を学ぶメリット

 英語をもとにして欧米文化についての理解を深めることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
 まず言えることは、在学中に海外旅行や留学を希望する人にとって、その準備になるということです。異文化コミュニケーションのための基礎力を養うことに繋がります。
 次に、大学卒業後、海外とりわけ欧米社会のなかで生活し、働きたいと思っている人にとっても役立ちます。日本とは異なる現地の文化を学ぶことによって、円滑なビジネスを進めることが出来るようになります。
 最後に、たとえ海外へ飛び出していくつもりのない人にとっても、大量に日本へ輸入される欧米各種カルチャー(食文化、スポーツ文化、映画文化等)に接する際に、その文化背景を知ることは深くそれらを味わう点で有益です。

自分で調べ発表する

 では具体的な科目を二、三取り上げてみましょう。
 「欧米文化概論A」では、「紅茶」、「階級」、「パブリック・スクール」等のイギリス文化のキーワードについて、参加者が様々な文献を用いて調べ、プリントを作成し、授業中に口頭発表をします。他の参加者からの質問も容赦なく飛び出すので、発表者は十分な準備をしなければなりません。そうすることで、プレゼンテーションのスキルが向上し、人前で話す自信がつくでしょう。
 また、「欧米文化概論B」では、古代から現代までの絵画、彫刻、建築等の作品について、時代背景や当時の社会機構にも目配せしながら鑑賞する眼を養います。この授業でも、参加者が或る作品(例えば、「ヴィーナスの誕生」、「地獄の門」、「ノートルダム大聖堂」)についてもテーマを設定し、調べたことをスライドを用いて発表します。発表以外にも、英語で書かれた美術に関する文献を読んだり、美術作品紹介のDVDを見る等して理解を深めます。
 そして、少人数グループで行われている「欧米文化演習C、D」も魅力的です。そこでは、講義だけではなく、グループディスカッションや参加者が選んだ個別テーマ(「婚礼」、「映画」、「民族」、「季節の行事」、「音楽」、「食文化」、「祭日」等)に関する発表があります。この演習を通して、参加者は欧米文化と日本文化との本質的な違いを理解できるようになるでしょう。また、欧米文化に関する卒業論文を執筆したいと考える人にとっては、その良き準備となるでしょう。
 教室の外でも欧米文化を知る機会があります。それは、夏のバーベキューパーティーと秋のハロウィーンパーティーです。

英語・海外研修

 実践的な英語スキルを身につけられるように、「英語Ⅰ」、「Oral CommunicationⅠ~Ⅲ」、「CompositionⅠ~Ⅱ」と「Academic Writing」の科目が設けられています。授業は実践的な英語でのコミュニケーション練習、ビジネス英語、英語でのプレゼンテーションなど、様々な体験を通して学べるように構成されており、アクティブで楽しい雰囲気の中、基礎英語から始めて、複雑な英語を習得できるようになっていきます。
「実践英語(TOEIC)」では、英語力の証明として留学や就職など様々な場面で使われるTOEIC試験の学習を通じて、実用英語の能力を磨くことができます。
 実際に海外へ行って生の英語を学びたい学生には、「海外研修」の科目が用意されています。
 そして、半年間の留学制度もあります。留学先で修得した単位は本学の単位に読替認定され、4年間で無理なく卒業できるようになっています。

英語Ⅰ

 目標は、英文テクストの「訳読力」、「読解力」、「文法力」、そして「英作文力」の養成です。
 教材は主として日本と英語圏やその他の外国との比較文化論、すなわち世界中の国々の人々の多様な価値観、人生観、生活様式に触れる内容となっています。英語力の向上のみならず、異文化をいかに理解し、受け止めるべきかを考えることにより、改めて日本人とは何かを見つめ直すことができます。

Oral Communication Ⅰ~Ⅲ

学生の英会話スキルを基礎英語レベルから中級英語レベルまで向上させます。
授業では、ロールプレイングやゲーム、ペアワークやグループワークで楽しく、 面白く、英会話を練習します。
目標は、学生が自信を持って英語で話す事です。

CompositionⅠ~ⅡとAcademic Writing

 自己紹介から始めて、自分の趣味や学生生活等、様々なトピックについて、英語で書く練習をします。最初は一つのパラグラフを書くのが精一杯かもしれませんが、徐々に複数のパラグラフからなる長い英文を書くことを目指します。

実践英語(TOEIC)

 TOEICは英語の能力を図る目安として注目されてきています。就職試験においても、TOEICのスコアを求められることが少なくなりません。「実践英語」では、これからのキャリアに役立つ英語の習得を念頭にTOEIC形式の問題を数多く解くことで英語力アップを目指します。1年生から3年生までの英語の練習を通してTOEIC試験スコアを100点以上伸ばすことも夢ではありません。

海外研修ⅠA~B

 「海外研修Ⅰ」の授業では、弘前学院大学の国際交流プログラムに参加するための準備をします。この科目では、アメリカや韓国の文化と日本の文化を比べ、どのようにして海外で生活すればよいかを学びます。ビデオとロールプレイングを用いて、海外での実際の場面を想定して練習します。学生が日本の文化を説明できるように、また、欧米文化をもっと理解できるようにカルチュラル・ポートフィリオを作成します。

海外研修ⅡA~C

 弘前学院大学の海外研修プログラムに参加する学生は、「海外研修ⅡA~C」の単位を取得できます。
 本学の海外研修プログラムについては、こちらのページをご覧下さい。

留学

 弘前学院大学の留学プログラムに参加する学生は留学を通して、外国語の4技能のスキルと留学先の国の文化を学ぶことができます。 留学先の大学で修得した単位は、本学の卒業単位に読替認定されます。
 本学の留学プログラムについては、こちらのページをご覧下さい。