大学院 社会福祉学研究科

 ディプロマ・ポリシー(Diploma policy:学位授与の方針)
  1. 社会福祉に関する歴史、制度・政策およびソーシャルワークに関する諸問題の把握、分析・考察する能力。
  2. 高度な専門性を要する職業等に必要な知識・技術を習得し、個別具体的な生活問題に対応する能力。
  3. 専門的な職業等で必要とされる新たな力を主体的に学習する能力。

以上の能力を身につけ、2年以上在学し、所定の授業科目について30単位以上を修得し、かつ必要な研究指導をうけた上、修士論文を提出し、その審査および口頭試問に合格した者に対して修士(社会福祉学)の学位を授与する。

 カリキュラム・ポリシー(Curriculum policy:教育課程編成・実施の方針)

社会福祉学研究科の教育課程では、修士課程の教育目的を達成するため、次のカリキュラムを編成する。

  1. 人間福祉特論科目において理論的・実践的な知識の修得を目指す科目を編成する。
  2. 人間福祉実習科目において経験から具体的な支援過程の修得を目指す科目を編成する。
  3. 人間福祉演習科目において文献研究・調査研究をとおした修士論文の作成を目指す科目を編成する。
 アドミッション・ポリシー(Admission policy:入学者受け入れの方針)

社会福祉学研究科は、下記の者を受け入れる。

  1. 社会福祉学に関する基礎的知識(学部卒業程度)を有する者で、高度な専門的能力の修得を目指す者
  2. すでに社会福祉分野で職業人として活躍しており、更なる能力向上を目指す者
  3. 現代の社会福祉に関連する諸問題を解決するための研究力あるいは実践力の修得を目指す者

入学者選抜は、筆記試験、面接試験、書類選考により行う。

社会人大学院生の受け入れ

本研究科はリカレント教育を標榜し、積極的に社会人院生の受け入れをすすめ、生涯学習の拠点となることを目指している。そのため適宜に講義の夜間開講を行い、学習のための便宜を図るようにしている。また、入学資格、就労方法などについても可能な限りの配慮をしている。

修士論文および学位

修士論文

学  位

論文審査と口述試験による

修士(社会福祉学)

履修基準および授業科目

(1)履修基準

人間福祉専攻における履修基準(最低修得単位数)は、右記の通りです。

  • 修士課程修了に要する合計単位数は30単位です。
  • 特論科目は、開設科目単位数30単位の中から必修科目(キリスト教社会福祉特論)2単位、選択科目20単位を履修できますが、別表の履修モデルを参考にしてください。
  • 演習科目は、開設科目単位数の16単位の中から4単位の履修が必要です。
  • 実習科目は、福祉援助技術領域と福祉制度運営領域のうちのいずれかを選択して4単位履修します。
授業科目単位数
人間福祉特論科目22単位
人間福祉演習科目4単位
人間福祉実習科目4単位
合 計30単位

(2)履修モデル

別表には、主に福祉援助技術領域、福祉制度運営領域、それに2つの領域にわたる科目履修モデルが例としてあげられています。これは、特論科目をどう選択するかの方法に関係しています。最低基準を満たすための一応の目安になるでしょう。

① 福祉援助技術領域履修モデル

人間福祉特論科目
(2 単位必修、20 単位選択必修)
人間福祉演習科目
(4 単位選択必修)
人間福祉実習科目
(4 単位必修)
キリスト教社会福祉特論(2)
社会福祉原論研究(2)人間福祉演習C(4)
社会科学研究法特論(2)
福祉実践人間論特論(2)福祉援助技術領域実習(4)
福祉援助技術特論Ⅰ(2)
福祉援助技術特論Ⅱ(2)
臨床心理学特論(2)
高齢者福祉心理学特論(2)
福祉情報科学特論(2)

② 福祉制度運営領域履修モデル

人間福祉特論科目
(2 単位必修、20 単位選択必修)
人間福祉演習科目
(4 単位選択必修)
人間福祉実習科目
(4 単位必修)
キリスト教社会福祉特論(2)
社会福祉原論研究(2)人間福祉演習A(4)
社会科学研究法特論(2)
生涯福祉特論(2)福祉援助技術領域実習(4)
人間福祉教育特論(2)
児童家庭福祉特論(2)
福祉行政特論(2)
社会福祉法制特論(2)
福祉情報科学特論(2)

③ 2つの領域に亘る科目履修モデル

人間福祉特論科目
(2 単位必修、20 単位選択必修)
人間福祉演習科目
(4 単位選択必修)
人間福祉実習科目
(4 単位必修)
キリスト教社会福祉特論(2)
社会福祉原論研究(2)
社会科学研究法特論(2)
福祉実践人間論特論(2)人間福祉演習D(4)福祉援助技術領域実習(4)
生涯福祉特論(2)福祉制度運営領域実習(4)
福祉援助技術特論Ⅰ(2)
高齢者福祉心理学特論(2)
障害者福祉特論(2)
福祉情報科学特論(2)

授業科目の概要

授業科目名単位数授業科目等の概要
キリスト教社会福祉特論2イエス・キリストは2000年前のユダヤに生まれ、30数年の人生を送り、十字架につけられて死んだ。しかし、彼はその生涯を通して、数多くの人々に励ましと慰めを与えた。また、彼を信じた人々は、今もなお他者(隣人)のための働きをなしている。キリスト教的な隣人愛、福祉の精神とはいかなるものか。身近な切り口として聖書というテキストを用いて考えてみたい。
社会福祉原論研究2そもそも人間は、なぜ他人を助けるのか、ということについて論ずる。その際、これまでの歴史を辿り、客観的な事実を確認することから始める。
社会科学研究法特論2社会科学の特徴を原理的に考え、そのうえで社会科学の研究方法を学ぶ。社会科学の研究対象は人間に関わるため、意味の問題やそれについての解釈という問題から離れることができない。つまり社会現象を客観的に捉えることには困難さが伴っている。このような困難さを抱えつつ社会現象を理解することが、どのように可能であるかを考える。
福祉実践人間論特論2①福祉実践者の系譜、②障害の個別特性に基づいた支援、③人間行動の成り立ち、④共生社会に関する具体的事例の中から、知識を整理し考察検討しながら学修、研究する。
生涯福祉特論2自閉症の子どもたちやアルツハイマー病の患者、PTSDにかかった人たちの情動を探ることにより、彼らの人格の変化、無関心、冷淡さのなかで起きていることを見つけようと試みる。
福祉援助技術特論Ⅰ2ソーシャルワークの理論と実践の基本的枠組みをふまえ、ソーシャルワークの理論の活用と検証およびソーシャルワークの現場にみる経験知と理論の活用について学ぶ。
福祉援助技術特論Ⅱ2ソーシャルワーク領域におけるアドボカシーの歴史を概観し、ソーシャルワークにおけるアドボカシーの機能について学ぶ。また、アドボカシーに関する実践事例をつうじて、ソーシャルワーク領域におけるアドボカシーの実際の理解を深める。
臨床心理学特論2臨床心理学の代表的な理論と方法について概観し、臨床心理学の目的、種々のアセスメント法、心理療法や実践場面について理解する。
児童家庭福祉特論2急速に進行する少子化の中で求められる児童や家庭に対する支援と児童家庭福祉の理念、権利擁護について学習しながら、特に増加の一途を辿る児童虐待や社会的養育の分野等、特別な支援を要する児童や家庭の支援について知識を深める。
高齢者福祉心理学特論2高齢者学(Gerontology)と高齢者福祉心理学、高齢者福祉臨床における諸問題について概観し、その中からヘルシィエイジングにおけるもの忘れの病理に触れる。さらに認知症者の記憶病理について、主に神経心理学、記憶心理学のサイドから論考し、臨床的処遇についての具体的な事例についての分析をすすめる。記憶リハビリテーションの理論と方法について論じる。
人間福祉教育特論2「人間福祉のための教育」は社会福祉の世界でも教育の世界でも重要な課題であるにも拘らず、これまで両世界は乖離していた。本特論ではその両世界を一つの世界に構築し直し、実り多い成果をあげるための方法の確立に取り組む。そのための前提は新しい「人間福祉教育学」を構想し、かつ体系づけることにある。本特論ではそのための資料を作成し、深く考察することになる。
障害者福祉特論2障害者権利条約には障害者が「他の者との平等を基礎として」地域で当たり前に暮らしていけるよう諸施策を確保するべきと記載されている。日本では、2010年代に条約批准を目的として大きな制度改革が図られた。しかし、条約の精神と障害者の生活にはまだまだ距離があるといわざるを得ない。障害者の権利を踏まえ、障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会にするためにはどのような対策・対応が必要か追究する。
福祉行政特論2福祉行政に関わる諸問題を特に憲法と行政法の両面から展開する。社会福祉士国家試験問題を素材に、条文や制度の趣旨を明らかにし、それらがいかに重要かを学ぶ。
社会福祉法制特論2民法典の第4編・親族、第5編・相続(家族法)を中心に、法律が我々の人生に、どのように結びついているのかを知る。さらには、超高齢化社会の到来、晩婚・未婚化による少子化の進行、生殖補助医療技術の進展による親子関係、姓、性の選択、等、民法制定時には想定していなかった問題について、民法(とくに家族法)は対応できているのか否かを検討し、近時の民法改正についても言及するものである。
福祉情報科学特論2福祉分野における情報科学の現状および諸問題を研究し、新しい時代に出会う諸問題について考察できるようになる。
人間福祉演習A4修士論文執筆にあたり、何のために何を明らかにしたいのかを、社会福祉の歴史的研究の領域で研究レヴューを行ないながら、論文テーマ設定を行う。
人間福祉演習B4修士論文と関連のある文献資料の整備から始め、さらに文献講読をすすめる。先行研究の査読・検討から研究の構想を練り、研究仮説の設定と方法・手続きを決め、リサーチを展開し、修士論文作成のためのベースづくりをする。
人間福祉演習C4修士論文執筆と修論研究発表会での発表を含めて院生個々に対して指導・助言を行う。本演習を通じ、院生個々人の研究テーマに応じた研究指導を行う。先行研究を調べた上で、問題意識(関心があるテーマや仮説の設定)を明確にし、問題を解明する上での適切な調査方法の選択、調査の実施、調査結果から得られた新知見を踏まえ問題設定に対応した結論を導き出せるよう研究指導を行う。修士論文の執筆はもちろん、その研究成果を修論研究発表会で発表できる能力が身につけられるよう指導・助言を行う。
人間福祉演習D4本演習では、以下のプロセスを通じて論文の完成を目指す。
・テーマ・仮説を設定する
・先行研究の読解と通してテーマ・仮説を再検討する
・データの解釈を通じて、仮説を検証する
・検証結果を基に論文を執筆する
福祉援助技術領域実習4福祉援助技術領域実習は利用者の理解に始まり、制度理解、社会福祉全般の知識や援助技術など学んだことを活用する。実習後は、実習計画にあげた課題の成果をふりかえりながら総括しレポートを作成する。
福祉制度運営領域実習4社会福祉の制度を確認しながら、実際に社会福祉施設をはじめとする事業が、どのように運営されているのかを把握する。

奨学金

● 弘前学院大学学内奨学金(免除)
学業成績、人物、家庭状況などを考慮して選考します。
(定 数)1 名 ※年度により定数を変更することがあります。
(免 除 額)当該年度授業料の 2 分の 1 相当額
(応募資格)本学大学院在学 2 年目以上の者

● 弘前学院学内奨学金(貸与)
学業成績、人物、家庭状況などを考慮して貸与されます。
(月額) 50,000円

● その他の奨学金

奨学金名貸与額(月額)
日本学生支援機構第一種奨学金50,000 円
88,000 円
第二種奨学金
※希望により右の貸与月額を選択できます。
50,000 円
80,000 円
100,000 円
130,000 円
150,000 円