文学部 遊佐 麻友子

講師

遊佐 麻友子(ユサ マユコ)

略 歴【学歴】
 東北大学文学研究科言語学専攻修士課程修了
 Ohio State University, Department of East Asian Languages and Literatures,修士課程修了
 University of Hawaii, Department of Second Language Studies, 博士号候補生(ABD)
 
【職歴】
 University of Hawaii, Department of Second Language Studies, 非常勤講師
学 位 修士(文学)、Masters of Arts(Japanese Linguistics)
担当する科目 英語学概論A・B、音韻論、形態論、統語論A・B、意味論A・B、言語習得A・B
 英語学演習ⅠA(a)・ⅠB(b)
専門分野 第二言語獲得、心理言語学、母語獲得、生成文法
主な業績【論文】
1.L2 acquisition of Japanese null arguments.
(単著, 2024, Journal of Japanese Linguistics, 40(2))
2.Reconsidering the semantic subset principle: Japanese children do have wide scope of disjunction under negation.
(共著, 2024, Proceedings of 48th Boston University Conference on Language Development)
3.Language proficiency modulates listeners’ selective attention to a talker’s mouth: a conceptual replication of Birulés et al. (2020).
(共著, 2023, Studies in Second Language Acquisition, 45(4))
4.Principle C in L2 acquisition: Reconstruction effects.
(共著, 2022, Proceedings of 46th Boston University Conference on Language Development)
5.L2 reconstruction effects in negated disjunction under pseudoclefts.
(共著, 2022, Proceedings of 29th Japanese/Korean Linguistics)
その他
(学会社会活動、講演、受賞等)
 日本言語学会、日本言語科学会、日本第二言語習得学会

研究テーマ

 大人になってから母語以外の言語を獲得する際、多くの人は母語を獲得よりも大変だと感じたことがあると思いますが、それはなぜなのかを研究しています。 母語獲得では、子どもは異なる環境下で育っても、豊かな言語知識を短期間で獲得できるのに対し、(大人の)第二言語/外国語獲得では多くの場合、獲得に長い時間がかかり、かつ個人差が見られます。 これは、母語獲得はうまくいくが、第二言語獲得はうまくいかず、第二言語獲得者は母語話者のような豊かな言語知識を有していないということを意味するのでしょうか。豊かな言語知識の例として、「刺激の貧困(poverty of the stimulus)」の問題の議論があります。 これは、まず母語獲得研究において議論されてきた問題で、子どもが獲得する言語知識が、言語経験や一般問題解決機構からは引き出せない豊かな特質を持つのはなぜかという問題です。このような状況下にもかかわらず、子どもが豊かな言語知識を獲得することができることから、生成文法に基づく母語獲得研究では、人間には生得的に言語獲得を可能とする言語機能(faculty of language)が備わっていると想定し、その解明のために実証的な研究がなされてきました。 この問題は、1980年代頃から第二言語研究においても議論され始め、同様の言語機能が第二言語獲得でも働くのかどうかについて現在まで多くの議論がなされてきています。そのため、私は第二言語獲得における刺激の貧困を中心的に扱い、第二言語獲得者の言語知識には経験以上の知識が含まれていることを研究で明らかにしています。

オススメの本

書 名『ことばのおもしろ事典』著 者中島平三(編)出版社朝倉書店